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数字で見てみる OpenStack 2014

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数字で見てみるOpenStack.png


今年もあとわずかとなってきました。
そうです、Advent Calendarの季節ですね(^^;)

と、いうわけで OpenStack Advent Calendar2014 のエントリーです。@ishikawa84g さんと @boot_vmlinuz さんの間に挟まれるという何とも素敵な12/23は、私 @star76popin が担当します。

これまでの投稿を見ていると技術ネタが多いので、いつもと少し趣向を変えて、今もの凄く勢いのあるOpenStackについてのデータを調査してみました。

 

まずは Googleトレンド から。
「OpenStack」と「CloudStack」の2つのキーワードで調べてみました。

下の図は、今年の 検索数 のグラフになります。
OpenStackは、2012年から常にCloudStackを上回っていますが、CloudStackに対して、2012年が「3.75倍」の検索数であったのに比べ、2013年は「5.8倍」、今年は「9倍」と徐々に差が開いています。

検索数が上昇した記事のヘッドラインから、2014年のOpenStackニュースを振り返ってみましょう。
今年は様々な企業が、OpenStackを用いたソリューションの展開を発表しましたね。

 

次に、地域別 の人気度を見てみましょう。OpenStackは「中国」での検索が非常に多いです。
2014年は「中国」を「100」とすると、「大韓民国」が「19」、「香港」が「18」、「台湾」が「17」、「インド」と「日本」「イスラエル」が「13」、続いてようやく「アメリカ」が出てきます。

都市 で見ると、カリフォルニアの「パロアルト」や「サニーベール」「マウンテンビュー」「サンタクララ」、中国の「深セン」や「北京」「上海」などが挙げられ、日本ではなんと「千代田区」がエントリーしています。

それに対して、 CloudStack は2012年から「日本」が続けて1位となっており、日本での関心の高さがわかります。

関連キーワード は、「openstack cloud」「openstack ubuntu」「install openstack」「openstack nova」「vmware openstack」「openstack swift」「openstack neutron」が上位にあがっており、インストール方法やコンポーネントの種類などの検索が多いようです。

 

注目キーワード を見てみましょう。
「openstack juno」や「openstack icehouse」など、新しいバージョンの検索が増加しています。
Dockerとの組み合わせ検索も増えていますね。
また「openstack neutron」「openstack heat」など新しいプロジェクトの検索も多く見られます。

 

ちなみに、 日本 においてはどうでしょうか。
面白いことに、OpenStackは、2014年はなんと「神奈川県」がトップとなっており、「神奈川県」を「100」とした場合、2位の「東京都」は「69」と少なめです。3位は「大阪府」が「11」です。

関連キーワード は、2013年は「openstack とは」を「100」として「cloudstack openstack」が「90」「cloudstack」が「75」と、 CloudStackとあわせて検索 されることが多かったものの、2014年は「openstack とは」を「100」として、「ubuntu openstack」が「55」、「openstack インストール」と「openstack neutron」が「50」、「openstack swift」が「40」、「openstack icehouse」が「35」となっており、OpenStackそのものへ関心がシフト してきたようです。
 
 

では続いて、OpenStack Survey の結果を見てみましょう。

OpenStackは半年に一度、サミットのタイミングでユーザサーベイが行われます。
先日の パリでの発表 と、半年前の5月に アトランタで発表 された内容を元に、半年間の推移を踏まえて見ていきましょう。
注) あくまで割合での比較となっており、母数は異なります。

まず、OpenStackを導入する理由ですが、「Ability to Innovate」「Open Technology」「Cost Savings」「Avoiding Vendor Lock-In」などが挙げられます。

導入理由.png

商用への導入は、半年前は「33%」でしたが、11月では「46%」と急激に増加しています。

導入環境.png

 

用途としては、「ホステッドプライベートクラウド」が半年間で「10%」から「25%」に増え、
「パブリッククラウド」も「13%」から「19%」に伸びています。
反対に、「オンプレでのプライベートクラウド」は「64%」から「45%」に減っています。

これは、調査対象(業種)の割合が、例えば「Telecommunication」が前回の「6%」から今回「10%」に増え、「Academic / Research」は「16%」から「11%」と減っているため、このあたりが数字に影響しているのだと思います。

用途.png

 

各コンポーネントの利用状況 はどうでしょうか。
下のグラフは、2014年11月の利用状況です。
商用環境の利用状況は、どのコンポーネントも半年前より 急激に増加 しています。
「Heat」や「Trove」「Ironic」などの新しいプロジェクトについても、商用導入前のテストや検証用途で評価されています。

使用コンポーネント.png

 

続いて、商用環境での構成状況を詳しく見ていきます。

まずは採用している ハイパーバイザー です。
KVM」がダントツの1位で、なんと商用環境で「87%」の利用状況となっています。
2位は「QEMU」が「15%」、「ESX」「BareMetal」が「6%」、「Docker」「LXC」についても「5%」と、商用環境での導入が増えています。

驚くことに、「Xen」は「3%」、「Xen Server」は「2%」、Hyper-Vはわずか「1%」と非常に少なく、半年前からも減少しています。

ハイパーバイザー.png

 

ちなみに、CloudStackでの利用状況※ は、プライベートクラウドにおいては、親和性の高い「Xen Server」が「72%」と非常に多く、KVMは「31%」で、この差は興味深い結果となっています。
@chipchilders 氏の スライド を参照

 

ストレージ は、「Ceph RBD」が「37%」、「LVM(default)」が「23%」、「GlusterFS」が「10%」、
「NFS」が「7%」がとなっており、ここ 半年でシェアが大きく変動 しています。

ブロックストレージ.png

 

デプロイツール は、「Puppet」がトップの「45%」、「Ansible」が「21%」と、「Chef」の「20%」を抜いて2位となっています。

デプロイツール.png

 

OSはやはり「Ubuntu」が強いですね。半数超えの「64%」ものユーザに利用されています。
商用利用では、ダントツUbuntuの割合が多いですが、2位の「CentOS」と3位の「RHEL」は検証利用の割合が多い ため、今後シェアが増えてくるかもしれませんね。

OS.png

 
 

もう1つ、別のサーベイの結果も見てみましょう。

2014年の秋に、クラウドベースのITインフラにおけるアプリケーションの統合監視と解析ソリューションのリーディングプロバイダである Zenoss社 は、2回目のグローバルサーベイの結果を発表しました。
1回目は2012年の秋に行われ、今回はこの2年間でどのような変化があったのかも加えて調査されています。

 

アンケートは、世界 376※ の異なる業種の規模の異なる企業の回答結果であり、そのうちの 257 がクラウドを利用、更に 112 がオープンソースクラウドを採用している企業です。

※ 回答者の属性は以下のとおり

  • 従業員数: 1-100名が31.1%、26.1%が101-1000人、18.6%が1001-5000人、24.2%が5000人を超える企業
  • 業種: テクノロジーが27.5%、その他はソフトウェア、通信事業者、製造業、教育組織、金融系、ヘルスケアと様々
  • 地域: 67%が北米、8%がヨーロッパまたはロシア、6%が中南米、その他(インド、中国、日本、韓国、オーストラリア)と様々
  • 職種: ITマネージャが23.5%、システムアドミニストレータが19.8%、CIOなど上級管理職が12.0%、その他(ソフトウェアエンジニア、ネットワークエンジニア、DBエンジニアなど)様々

 

オープンソースクラウドを採用するメリットとしては、「管理コスト削減」が「75%」、「アジリティ」(ニーズの変化などに機敏に対応できる柔軟性)が「74%」、「アプリケーションの早期導入」が「54%」が上位3つの理由として上がっていますが、ここ2年間でのオープンソースクラウドの採用は「72%」も増加しており、中でもOpenStackはオープンソースのクラウド市場をリードしています。

オープンソースクラウドを採用している112の企業のうち、OpenStackは「69%」もの企業に採用され、2012年の「51%」という結果から更にリードを伸ばしています。

CloudStackは競争に打ち勝てず、2012年の「18%」から2014年は「14%」と、わずかにシェアを落としています。HPに買収されたEucalyptusも先行きが見えないと述べられ、OpenNebulaと同立3位となっています。

このことから、いかに今OpenStackが注目を集めているかがわかるでしょう。

Zennoss_CurrentUsers.png

 

また、多くの企業がオープンソースクラウドの採用に向けて動いていることがわかりました。
オープンソースクラウドの導入を検討している企業において、OpenStackを視野に入れている企業は「86.4%」と、2012年の「63.2%」から大きく数字を伸ばしています。
2位のCloudStackは、2012年は「47%」であったのが「43.9%」とわずかに落ち、首位のOpenStackから差をつけられています。Eucalyptusは2012年は「23.5%」の3位でしたが、2014年はOpenNebulaと同立3位の「19.7」%となっています。

Zennos_ProspectiveUsers.png

 

まとめ

このように、OpenStackには多くの関心が寄せられていることがわかります。
採用企業も継続して増え、更に勢いが増すことでしょう。

しかし一方では、オープンソースクラウドのデメリットである スキル不足やサポート面の不安
海外においても、いまだ大きな課題としてあげられています。

実際、アンケート結果を見てみると、OpenStackを導入済みの企業から次のような声もあがっています。

・OpenStackはまだ成熟していない。CIO/上級管理職(北アメリカ)
・OpenStackはフリーだけど効果的に実装するのが難しい。インフラエンジニア(北アメリカ)

他の様々なサーベイ結果や記事などを見ても、OpenStackの導入についてはまだ慎重な意見も多く、OpenStackの導入を検討したが、今年は採用を見送ったという企業もあるようです。

また、導入コストは少なく済んだものの、運用・管理コストが膨大となり逆効果となっているケースもあるようで、特に中堅・中小企業においてはトータルコストを考慮すると、OpenStackの導入にメリットを見出すのが難しいという声もあります。

オープンソースクラウドの市場が、OpenStackを中心に今後どのような発展を遂げていくのか、引き続き見て行きたいと思います。

 

それでは、よいクリスマスを♪

サンタとわんこのクリスマス.png

 
 

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